レガシーという言葉の使い方を、オリンピックの時に知った。レガシーって車の名前でしょ?くらいにしか認識していなかったので、あぁなんかいい言葉だなと思った
記憶がある。僕はこの3ヶ月間をレガシーと呼びたい。とても多くの事を学んだ3ヶ月だった。前回このシリーズのブログを更新したのが10月。
それから2月の本番に向けてトレーニングを積んできたわけだが、今回のオミクロン株の拡大を受けて、残念ながら大阪マラソン参加は断念せざるを得ない状況となりました。
思い返せば、東京オリンピックに当選したころから、自分自身「持ってる」のか「持ってない」のかよくわからなくなってきた。
チケットは当選するけど、中止。マラソン大会エントリーはするけどケガや中止。今回も断念(現状ではまだ開催予定)どうせなら、人思いに中止にしてくれ!と願わずにいられません。
(中止なら次回の参加が確約されるので)
先にレガシーと書いたのは、この3ヶ月、本当に色々な事を経験して、ランナーとして成長できたと感じているから。何度も言うが、ランニングは最後は自分との戦いで、
自己満足の極みみたいなスポーツだと思っている。どんなに30キロ走ったよ!と言っても、それがどれだけ辛い事かを経験している人はほとんどいないから、誰も共感
してくれない(笑)今日はキロ4分30秒で走ったんだよ!と言っても、それがどういうペースなのか想像できないから家族の反応も微妙だし。要するに誰にもほめてもらえ
ない、孤独なスポーツ。ゆえに、自分で自分をほめてあげる事が一番のご褒美だと思う。ランニングアプリで毎回記録を残すのも、その日の1キロのラップを見て、ビール
を飲みながら一人ニヤニヤするのも、自己満足。でも、それが本当たまらなく楽しいのだ。
この3ヶ月で一番気をつけていたのが「ランナー膝」の再発。どうやったら痛みがなくトレーニングを続けられるかが課題だった。前回の発症は、何も知らないランナーが、
調子に乗って走りすぎたゆえに発症した。その反省からトレーニングの量と質を見直し、ストレッチを毎日欠かさず行った。もう40歳もすぎて、ケアしないと次の日に影響が
出る事は目に見えている。特にストレッチは朝と夜の2回欠かさずやっている。ランニング歴もそろそろ3年になるので、ランナー風に言うと「脚が出来てきた」のかもしれ
ない。おかげでランナー膝は克服できたように思う。
もう一つの課題はトレーニング量と質。
インスタで、「#ランナー」とか「#ランニング女子」とか検索すると、ズラーッとランニングをしているかわいい子が見れる。
いや失礼。ランニングをしている同志が見れる。
そういう人達は、ほぼ毎日走ってて、月間300kとか普通に走る。それこそ女性でも。どうやったらこんなタイムで、こんなに距離を走れるんだ?と思ってしまう。
私はそういう人見ると、「俺だってやれる!」とつい対抗心を燃やしてしまうが、これが間違い。まず、自分はランナーとしてまだ初心者であることを自覚していなかったし、
そもそも人と比較するものではない。とにかくいっぱい走らなきゃと思っていた。そしてラグビー部時代のように、とにかく毎回「おいこむ」事が大事だと思っていた。でも陸上部
には「ポイント練習」と「つなぎの練習」という考え方があるらしい。要は一週間の内、追い込むのはポイント練習の日。それ以外はポイントとポイントをつなぐ練習。つなぎの
練習は体を整えていかにポイント練習を充実させられるかが大事だという考え方らしい。なるほど、今まで俺、毎日ポイント練習してたわ・・どおりでケガするよね・・。
陸上部なんて走るだけだろと、若干下に見ていた学生時代の自分を恥ずかしく思った瞬間だった。
おかげで日々のランニングにメリハリが出て、今日は少し体が重いから軽めのジョグにしようとか、少しスピードを上げてみようとか、調整ができるようになってきた。
ポイント練習の日は週に2回と決めて、距離を走る日と、スピードを重視する日に分けてみた。すると自分の弱点が見えてきた。
どうやら僕は長い距離を走るのが苦手で、スピードは結構ある方だという事がわかった。心拍数も結構遅く、長距離ランナー向きのようだ。
あとはもっとトレーニングを積んで、30キロとか走っても脚が痛くならないようにしなければいけない。これが課題だ。シューズによっても脚へのダメージが違う事も分かった。
とにかくいろんな事を考えた。
一週間の天気予報で天気を気温を確認して、今週はこの日にポイント練習をしよう。その日が仕事なら、じゃぁ朝何時にスタートして、
何時までに帰ってこようなんて考えて。追い込んだその日は、必ず華の湯でリカバリーをするのがルーティンだった。水風呂とお風呂の交互浴が疲労を残さないためには
いいと勉強したから。心拍数を意識した練習を取り入れて、つなぎの練習はなるべく心拍数を上げないように気を付けた。いかにいいリカバリーができるかを考えて。
また、ATペースも学んだ。乳酸を作らないペースだ。いかにATペースを向上させられるかが、マラソンにおいては最重要課題だ。ATペースで走るには、どのくらいの
心拍数が適当なのかも考えた。それをもとにトレーニングをするのが効率的だった。
あと膝が痛くなったり、太ももが痛くなるのは腰が落ちるのが原因だと教わった。1キロごとに止まって腰高になっているか確認しながら走った。踵から着地するとブレーキが
かかるから、なるべくフラットに着地するようにした。ペースがグッと上がった。冬はみんなどこを走るのか調査した。どうやら融雪道路やトンネルを走っているらしい事が
わかった。すると雪の中でも元旦から多くのランナーとすれ違った。みんな、この天気でも走るなんて変態だよね(愛情をこめて)と思いながら挨拶を交わした。
こういう一つ一つの思考が、レガシーだと思うのです。42キロを4時間以内で走り切るのは、今の僕にはハードルが高い。だけどそれを本気で目指したからこそ覚えた感情や
知識は僕の遺産となって、いつか来るその日のために僕の中で生き続けるのです。今回は残念ながら大会にはチャレンジできなくなったが、雪が解けて10度くらいまで気温が上がったら
実家のある五城目から、店までの約40キロをひとりマラソン大会しようと思っている。この3ヶ月の努力を無駄にはできない。そして、僕のランニングライフはまだまだづづくのだ。
僕が走り始めた理由~初フルマラソンは大阪で編~ 終わり
*毎回ランニングで走った場所を「#秋田ランニング百景」というハッシュタグをつけてインスタに投稿しています。
走っていると、普段とは違う秋田がみれるのでとても楽しいです。よかったら検索してみてください。