エチオピアから戻りました。

ご報告が遅くなりましたが、エチオピアから無事に戻りました。

不在の間は沢山の方が「エチオピア行ったんだって?大丈夫?」とお店に来てくださったと

聞きました。心配してくださってありがとうございます。私は無事です。

というよりも、アテンドしてくださった方々、一緒にエチオピアに行った同志のコーヒー屋の皆さんの

おかげで、むしろ快適な旅ができたと思います。この場をおかりして御礼申し上げます。

また、不在の間お店を切り盛りしてくれたスタッフにも感謝です。ありがとう。

さてさて、

エチオピアに行くことは一生であるかないか、だと思っていましたが、いつかもう一度行きたいと

思うほど、刺激的でこれからどうなっていくのか楽しみ、な産地でした。

コーヒーを生業にするものにとってエチオピアという国は特別で、今回行けて本当によかったです。

前置きはこの辺で。少し長くなりますが、エチオピア報告記はじまりはじまり。

 

 

 

 

 

 

1、出発まで。

 

まず、エチオピアにいくためにワクチンを打たなければいけませんでした。(打たなくても入国できますが)

黄熱病のワクチンです。これは、東北だと仙台と盛岡の2箇所でしか打つことができないのです。

それも、月に2回14時~30分という限られた時間、限られた人数のみです。エチオピアに行くことに決めた

タイミングが結構遅かった私は急いで電話しましたが、盛岡は満席、仙台はかろうじて予約ができ、注射を打つ

ためだけに仙台までいってきました。ついでにマラリアの薬をもらって、秋田に帰ってからはA型肝炎のワクチン、

破傷風のワクチンとこの短期間で何本注射を打つの?というくらい打ちまくり、何があっても大丈夫な体に仕上げて、

ようやく出発です。振り返って考えると、こんなに予防接種は必要なかったです。(びびりすぎました)

荷物はこれだけ。

 

 

 

 

 

 

2、エチオピア到着

 

タイを経由して13時間のフライトでした。途中のタイではトムヤムクンとビールを食べました。

エチオピア航空の機内食は正直美味しくなかったですが、エチオピアで食べた食事はだいたい美味しくて、

食あたりを気にしてダイエットできるかな?なんて思っていたのも忘れ、よく食べてよく飲んで、楽しい食事ができました。

カレーが食べたくて、「ライスウィズミートソース」 を頼んだらチャーハンみたいなのが出てきました。

 

エチオピアのローカルフード「インジェラ」すっぱいクレープみたいな味です。ちぎって手で具を挟んで食べます。

 

迷ったらピザ。大体美味しいです。

 

最後の晩餐は牛肉を生で。これがとても美味しかった。散々「卵はだめ」「チーズはだめ」「生やさいも気をつけて」

など、食事には気をつけていたのに、生の牛肉はいいの?という感じでした笑

めっちゃ不安でしたが食べたら本当においしくて、馬刺しに近いあっさりとした味で、エチオピアのスパイスをつけて

食べます。後半に焼いた肉も出てきて、「始めからそっち出してよ」と正直思いました。

 

 

エチオピアの首都、アディスアベバは標高が2000mもあり、調子に乗ってお酒を飲みすぎるとすぐに

酔っ払ってしまいます。そんなアディスは建設ラッシュ。大きなビルがどんどん建っていてますが、その足場は竹。

いつ倒れてもおかしくないような足場です。見ているほうが不安になりますが、地震がないから大丈夫という事でした。

町並みは日本に比べるとずっと粗悪です。信号がないので道路は渋滞。横断歩道もないのでいきなり人が飛び出してきたり・・

それでも事故が起きないのが不思議です。

 

 

 

 

 

 

 

 

3、いよいよ農地へ

2日目にアディスから車で8時間かけてイルガチフェへ移動。

アテンドしてくれた方も3年ぶりという事で、以前来た時は道路がぼこぼこで、それを避ける為に

スピードを落としたりすのでもっと時間がかかるという話でしたが、この3年で道路はだいぶ綺麗になったようで、

以外にもすいすいと進みました。

家畜なのか、野生なのか、道路の脇には牛やヤギうろうろしています。

もうすぐ農地。道はアスファルトから土になり、民家も木から土壁に変わっていきます。

その屋根はバナナの葉っぱだったり、子供がロバをつれて水や食料を運んでいたりと、首都とは明らかに

風景が変わっていきます。エチオピアは世界でも貧困国ではありますが、その中でも農地がる地方は

その格差がひどいと感じました。

そうこうしていると、ようやくコーヒー産地であるイルガチフェに到着です。

エチオピアのコーヒー農園は、日本の果樹園のようにハウスを建てて、綺麗に整備された

○○果樹園、というようなイメージとは違い、小さい農家や個人の人が自分の土地にコーヒーの木を植えて(もともと植わっていて)

そこにできた果実(チェリー)を収穫し、近くの集積所(ウォッシングテーション)に持って行きます。

そこで、重さだったり、品質だったりをチェックされてお金と引き換えてもらいます。

秋田だと、山菜を自分の山から取ってきて市場で売る、みたいな感覚に近いなと思いました。

このウォッシングテーションがイルガチェフェだけでも100箇所以上あるというから、農家はそれ以上ある事に

なります。よって、エチオピアの最小単位はこのウォッシングステーション単位という事になります。

とあるウォッシングステーション。収穫後、果肉を剥がし、ぬめりを取って、乾燥させる作業をします。

女性が多く働いています。皆チャーミングで恥ずかしがりやでした。

初めて見る天日乾燥のチェリー。見るもの全てが感動的でした。

チェリーというだけあってさくらんぼのような形状をしています。果肉はほんのり甘く、種が2つ入っています。

それがコーヒー豆になります。

コーヒーの木や、精製のプロセス、働く人達、見るもの全てに感動しっぱなしの僕でしたが、

中でも目を引いたのが、子供達でした。とにかくかわいくて、沢山写真に撮ってしまいました。

身につける服や靴は穴があき、きっとどこかの国から支援されたであろう物を

着ていますが、子供達はとてもキラキラした目をして無邪気で、笑顔がとても素敵でした。

また、働く女性は頭に布を巻くのですが、その巻き方がおしゃれ。色の組み合わせも

カラフルでとっても美しかったです。男性はたくましく、もくもくと働く印象がありました。

 

 

 

 

4、まとめ

 

コーヒーに携わる人間は、産地を見ておくべき。と長く言われて来ましたし、

実際見たことがないと言うことに対してもコンプレックスも感じていました。

なので今回の視察は念願だったわけです。行けてよかったです。なにがよかったかと言うと、

僕らが普段使っているコーヒー豆には、これだけ多くの人が係わっていて、これだけ厳選された

貴重なものなんだという事が、身に沁みて感じることができた事でした。

それは農地で収穫した近所の子供から始まって、ウォッシングステーションで働く人達が手間隙かけて

選別し、子供や女性達の手で綺麗に乾燥され、多くの輸出に係わる複雑な経路をたどり、

厳選したカッピングにより買い付けられ、様々な人達のおかげで日本にやってきて、

ようやくお店に届きます。まるでバトンを手渡すように次から次にコーヒー豆が人の手を伝って

やってきます。僕はこれをいかに美味しく焙煎してお客様に最後のバトンを届けるか、それが

使命のように感じました。そしてこのコーヒー豆をとても愛おしく感じるようになりました。

もっとできる事がある、もっと勉強したい、もっと知りたいと思うようにもなりました。

このコーヒー豆をもっと美味しくするにはどうした良いか?スタッフとも話し合って、今、まさに掘り下げているところです。

もちろんすぐに答えはでませんし、これからずっとそうして日々研究し続けることになると思いますが、今の現状に

疑問を持つことの大切さを改め感じました。08COFFEEのコーヒーはまだまだ美味しくなります。期待してください。

最後になりますが、長い間家を開けてしまって奥さんと子供とわたげには迷惑をかけました。行かせてくれてありがとう。

わたげは幸いひさびさに会ってもちゃんと覚えていてくれて嬉しかったです。笑