ある相談のはなし。

みなさんは仕事にやりがいを感じますか?

やりがいはどんな時に感じますか?ぼくなら人に評価された時に感じます。

今だって、自分のお店で、自分が店主だけど、人に評価されたい(もちろんプラスの)

という欲求はあります。

いづれにしても、会社員として働く多くの人は、は労働力を会社に提供し、その見返りとして、給与をもらっています。

会社は、社員の労働力を評価し、その対価として給与を支払います。

働く者として誰でも頑張った分だけ『見返り』が欲しいというのは、当然ありますよね。

でも、

その頑張りが、上司にちゃんと評価されなかったとしたらどうでしょう?

「なんでちゃんと評価しれくれないんだ?」「うちの上司は・・・」となりますよね、当然です。

その『評価』について、会社を経営する私の友人が興味深い話をしていました。

 

 

 

 

 

 

とある居酒屋でアルバイトしている女性からこういう相談を受けたそうです。

 

 

 

 

「私は仕事をがんばっている。てきぱき働いて、お店の手書きのメニューや、看板描きなんかも工夫しているのに、

店長が全然評価してくれないんです」

 

 

よくある、居酒屋の手書きのメニュー表や看板。ああいうのって、意外と書くの難しいんですね。

雰囲気が上手く出せない。それ専用の描き方を集めた本があるくらいです。彼女はそういう本を見て

勉強したり熱心に働いていたにもかかわらず、店長に評価してもらえないことに不満をもっていました。

さぁ、

あなたなら、どうアドバイスしますか?

 

 

 

 

 

僕の友人はこう答えたといいます。

「お店の紙とペン使って、メニュー書いてるうちは、どんなに雰囲気良く書いたところで

店にとっては、紙やペンなどの経費を使われてるだけでマイナスだよ。評価されなくて当然でしょ?マイナスの事してるんだから。」

 

「例えば、そのメニュー表を見て、お客さんが以前より増えたとして、売り上げが上がって、初めてお店にとってプラスになるでしょ?

そしたら評価されるべきだよ。それが仕事したって事。」 と。

 

この話どうですか?納得できますか?(道徳の授業みたい)

 

 

僕は、とても的を射てるなと思う反面、雇う側と、雇われる側の仕事に対する考え方の違いを感じました。

経営者側からすると、

「まったくその通り。利益を上げてこそ仕事の成果でしょう?そんなのがんばるうちに入らない」

社員側からしたら、

「それだって仕事でしょ?そういう細かい所もしっかり見てよ。あなたにこれができるの?」

という声が聞こえてきそうですよね。

それぞれの立場によって、仕事に対する意義の違いというか、価値観は当然違います。

自分が会社にとってプラスな事をしていると思っていても、それがお客さんに伝わって

ちゃんと会社にとって利益という形でプラスになっていなければ、会社は評価してくれないです。

なぜなら、

経営者は会社の売り上げを上げる事、それが仕事をする上で最も重要なミッションだからです。

利益を上げるのが仕事。そのスタッフが黒板をどう書くか迷うのと同じように、会社の利益をどう上げるかを

常に考えているのです。黒板をどう書こうが、それで売り上げが上がらなければ、そこに意味を見出しません。

ちゃんと評価されたいのなら、しっかりと結果を出さなければ

会社に認めてもらえません。会社から給料をもらっている以上、残念ながらこれが現実ではないでしょうか。

繰り返しになりますが、僕はこの話をする友人を凄いなと思いました。さすが経営者は違うなと。

僕は経営者という『職業』には向いてないのでしょう。なぜならきっと僕がこの相談を受けたらこう

答えるから。

 

『 素晴らしい。手書きのメニューの難しさは僕が一番知っている。それを誰に指示されるわけでもなく

自ら率先して動いたあなたを私は評価します。きっと結果は後からついてきます 』

 

経営者は、経営するのが仕事。

僕は多分、コーヒー屋。コーヒーを売るのが仕事。

そんなに経営は、上手くできない。コーヒーなら、上手く淹れられるけど・・。