天然生活に憧れていたんだ。

いつしか漠然と「カフェをやりたい」と思うようになっていて、

そういう類の雑誌を買いあさるようになっていた。気が付けば、大学のラグビー部の寮の部屋では

「ラグビーマガジン」ではなく「天然生活」を読む異色のラガーマンになっていた。

 

 

 

その雑誌に出てくる女性達は皆、おしゃれすぎて、かわいすぎて、僕のようなごつごつしたラガーマン(当時)は

1ページも登場しなくて(当然だけど)どうしたらこういう暮らしができるのか?どうしたらこんなかわいい子と

出会えるのか?そんな事ばかり考えては、そんなの無理だよ。と自分を納得させる日々だった。。

 

 

 

 

就職する頃になると、「天然生活」より「PRESIDENT」ばかり読んでいたので、20代前半はあまり手に取る事はなかったけど、

いざ社会にでて、自分のやりたい事と仕事のギャップにうんざりし始めて、自然とまた書店で「天然生活」を手に取るようになっていた。

天然生活という雑誌もそうだけ、天然な生活って素敵だなぁっていう乙女な部分が成長し始めていたのだと思う。

無駄に天然酵母でパンを焼いてみたりしていた。全くうまく出来なかったけど。

思い返せば、僕の「乙女おっさん」の根源はここにあったんだ(笑)

 

 

 

 

 

修行時代を過ごした仙台では、ブックオフ(古本屋)があちこちにあったので、天然生活のバックナンバーを

DJがレコードを探すがごとく、お店を巡って買い漁る日々。面白いもので、街の雰囲気で、ブックオフに並ぶ古本の種類も

違う事がわかった。新興住宅地が近いと、わりと若い人向けのおしゃれ系雑誌が多くある事に気が付いたので、

主に泉中央付近のブックオフに狙いを定めた。当時はカフェブームもあってか、なかなか古本屋にそっち系の雑誌が

少なかった。とりあえず、「天然生活」「クウネル」「自休自足」「リンネル」「装苑」これらを片っ端しから買い漁ったものだ。

だって、「おしゃれ」っていうのがよくわからなかったから。こういう雑誌をまねていれば、自分もおしゃれになれると信じていたから。

 

 

 

 

いずれそれも幻想だという事に気が付くのだけれど、僕の初恋ともいうべき天然生活という雑誌。自分がお店を始める時にも大いに

役立てられたし、実際に今読んでも為になる。やっぱり素敵だ。

 

 

 

 

学生時代、雑誌の向こう側の素敵な女性達の暮らしぶりや、そこに登場する素敵なお店に憧れていた僕は、

20年の歳月を経て、WEB版だけど、その「天然生活」に登場する事になる。

記事はこちらです☞ 天然生活

 

 

 

なんていうか、昔フラれた学年のマドンナに今になって告白された気分。

憧れ、恋焦がれた思い入れの強いこの雑誌に、自分のお店の商品が登場するなんて、本当に嬉しかった。

今、学生寮でWEB版の「天然生活」にアクセスしている君、未来はきっと明るいよ。