「マラソンを始めた初心者が、あぁ楽しいなと思えるスピードは、
1キロ6分台といわれているんだ。
風を切って走る楽しさが素直に体感できる感じかなあ。
そして、このスピードでフルマラソンを走ると4時間台半ばのタイムになる。
日本中に4時間台で走る人の層は、実はマラソン人口の中で一番多い。
一説にはだいたい150万人。
この中から、もっと上を目指そうという人が当然ながらいる。4時間の壁を
破ろうという上昇志向の強い人たちといったらいいのかな。
その結果、実際に3時間台で走る人の数は120万人。では、この中で2時間台
に到達した人が果たしてどれだけ存在するかというと、実は10万人しかいない。
数は一気に減少するんだよ。つまり、長距離ランナーとして2時間台で走る人
ってのは、走る人全体からするとエリート中のエリートってわけだ」
小説 『陸王』 から
マラソンで、3時間以内に42.195キロを完走する事を、「サブ3」(サブスリー)といいます。
また、4時間の壁を破ることを「サブ4」(サブフォー)といいます。これは、マラソン大会
に参加する人の20%しか達成できない一般市民ランナーとしては、立派な勲章です。
ゴルフで言ったら、80台前半。TOEICだったら745点。ボーリングなら200点。
そのくらいの高い壁だと言われています。
ただゆっくり42.2キロ走るだけなら正直少し走っている人なら誰でもできます。
どうせ走るなら、サブ3は無理でも、サブ4目指してみたい。
そこにチャレンジする事に意味があるように思いました。とういう訳で、
目指せサブ4を目標にトレーニングを再開!!
前回の一人マラソンでは途中で足が痛くなってしまい、追分から歩いて帰って
くる羽目になったので、今度こそはと意気込んで、まずは25キロ完走を目指し
いざスタート。
山王新町から児童館通りを外旭川方向へ。秋田の朝はナガハマからでおなじみ
のナガハマコーヒーを左折し、小泉潟公園を目指します(前回と同じルート)
前回はこの辺で足が痛くなったなぁと思いながら10キロ地点を通過。快調。
よし、足は痛くないぞ。もう少しペースを上げよう。と、その辺からやはりまた
左足が張ってきます。あーやばい、まただ。と思いながらも20キロまで来ました。
だんだん足が動かなくなってきたけど、とりあえずは自己最長距離を通過。
でも次第に走る事が困難になってきた。歩いてはストレッチ、ちょって歩いて
またストレッチの繰り返し。それでも前回よりは走る事ができたかな。
後半ほとんど歩いてたけど・・
結果24.14キロ タイム 1キロ5分47秒
サブ4まではまだまだ道半ば・・・。
うーん、やばい。実にやばい。(この時1月上旬)
焦ってきた。もっと練習しないと、このままではサブ4どころか、
完走すら危ういではないか!もっと走らねばと一気にギアを上げて
トレーニングに励みます。
週4回、最低でも12キロ。または1時間以上走るを目標に、1月は300キロ
走る事を自分に課しました。
この時は気が付かなかったのですが、
たかだか走り始めて1年弱の初心者にしては、これは走りすぎているんですね。
ついつい自分を「追い込んでしまう」くせがあります。(自分の中にSとMが混在)
もっとも、走り慣れているランナーであればこのくらいは大した事では
ないのかもしれませんが・・。
練習も積んできた1月下旬、レース1か月前。2月になったらそこまで
追い込めないと思ったので、今の自分の限界を知りたくて
例よって天気予報をみながら、晴れマークの水曜日、
最長距離、ベストタイムを目標に一人マラソン大会を開催しました。
スタートはサンシャインマラソンを意識して9時。その日の朝は、
大会をイメージしたタイムスケジュールを過ごす気持ちの入れよう。
コースは、08OFFEEから外旭川ナガハマコーヒーを経由、小泉潟公園を折り返し、
国道7号線を南下、県立スケート場方面へ曲がり、グルっと回って臨海十字路、
魁新報本社までの34キロコース。風なし、快晴、紫外線強めのコンディション。
この日は前回の反省を生かし、ジェルを携帯。前回は20キロくらいからお腹が
減ってきてしまったので途中で補給します。補給も練習しとかないとね。
いざスタート!!(BGMはGLAYでHOWEVER!!)
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10キロ地点、足は痛くなさそう。タイムもいい。1キロ5分5秒ペース(かなり早い)
ペースは、自分で上げようとしないほうがいいという私の理論があって、
その日の体調やモチベーションによって「勝手に上がってくる日は上がってくるし、
上がらない日はそういう日」と思っています。この日はかなり気合が入っている
せいか、ペースがよい。
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15キロ地点、そろそろジェルを補給してみようかな?いつ補給するのが
いいのか、ちゃんと調べとくんだった・・
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20キロ地点、いったんエイド(コンビニ)へ。
ペースが上がりすぎているのが心配だが、心拍は余裕。やべー、俺速くなってるかも?
そんな高揚感と共にジェルを補給(2本目)
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25キロ付近、その時は突然やってきました。右足の膝が突然抜けてなくなった
かのような脱力感が襲ってきたのです。なんだ?膝がかくかくするな?
ようは、疲れてきたんだろうな。と思って構わず走る、走る。タイムがいいから
止まりたくない。でも膝がかくかくする・・
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30キロ地点、ランナーが言う、30キロの壁立ちはだかる。両足がガクガクで走れない・・
ストレッチ、歩く、ストレッチ、歩く・・・あんなに快調だったのになぜ?
急に足が痛くなる。しかも、膝が原因不明にかくかくする。もう無理だ。
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34キロ、ゴール地点。もう走れないくらいガクガクの両足、右膝の痛み。
加えてジェルの食べすぎによって胸焼け・・最悪の気分です。
とりあえず、こまち温泉へGO。水風呂と温泉の交互浴でリカバリー。
タイム 3時間4分 1キロ5分17秒 走行距離 34キロ
結果だけ見ると、良い感じだけど内容は散々でした。後半は前半の貯金でしのいで、
ただただつらいゴールでしかなかったです。そして翌日それは寝起きとともに・・・
右膝が痛くて曲げれません。え?なにこれ?
サンシャインマラソンを4週間後に控えた2月頭、私の体はとうとう限界を
迎えたようでした。酷使しすぎた膝は、腸脛靭帯炎というランナー特有の
症状を訴え、走ることすらできなくなってしまったのです。
それでも2,3日休んだら痛みが引くので、とにかく 走らないと気がすみません。
休むことが恐いので無理して走る→また悪化→休むけどすぐ走る→治らない。
この負の連鎖を断ち切るには、休むしかないのです。心を鬼にして走るのを
あきらめ、休みました。治療院、マッサージ、整骨院、温泉、湿布にヴァンテリン。
出来る事はすべてやって、それで無理なら諦めよう。そう思いました。
結果、レースを一週間後に控えた日曜日、ようやく痛みなく10キロ走る事ができました。
2月は10キロ以上走った日がありません。たぶん走行距離は50キロに満たない
くらいかも。でもできる事はやりました。体幹トレーニングで腹筋は過去にない
くらい切れてます(割れてます)走れない分頑張って漕いだバイクは、出張先の
東京でも漕げる場所を探して、暗闇フィットネスなるものも体験しました。
FEELCYCLE ← これはマジで楽しかった!!近くにあるという方、
ぜひおすすめしますよ!
こうして何とかケガを乗り越えたけども、(保険をかけるわけじゃないけど)
目標のサブ4はちょっと難しそうです。
まして、膝がどこまでもつか、走ってみないとわかりません。
でも、できる事は全てやったと言い切れます。
今は、残り5キロをBGMを「負けないで」を聞きながらなんとか走り切り、
4時間10分位でゴールして、フラガール達と鼻の下を伸ばしながら自撮りしている
自分の姿まではっきりと想像できます。きっと、大丈夫。
ケガして気が付いた事がありあす。俺、頑張りすぎてたなという事。
力が入りすぎると、いろんなものが見えなくなってしまいます。
ほどほどに、力を抜いて、入れる時にビシッと入れる。
そうできる事が本当の一流なんだろうと思います。仕事でも同じです。
ぴんぴんに張りつめて仕事をしていては、糸は簡単に切れてしまいます。
もう少し余裕をもって、客観的に自分を見れる大人にならなければいけ
ませんね。
サンシャインマラソンは今週の日曜日。無事にスタート地点に立って
怪我無く完走できたら、店に賞状飾っておきますので見に来てください(笑)