実は・・・の話

人生は経験の積み重ねによって充実していきます。

それは、いいことだけとは限りませんが無駄なことは何一つないと

ここまでの人生では感じています。どんな出来事も後になって考えると意味があったんだな、

と思えます。つい最近も、そんな風に思う経験をしました。もう誰かに話してもいいかなと思い

ブログに書いてみようと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

実は、08COFFEEの2号店を出店しようと思っていました。

計画自体は、いつも考えてはいて、でも無理して始める気もなく、あとはタイミングだけでした。

そんな矢先とてもいい場所と出会いました。それはもう、ビビビときました。

全身に鳥肌が立つような出会いで、ここしかない、ここでなら、というような場所。

カフェに限らず、飲食業は立地がとても重要なのは言うまでもありませんが、私の場合、

この場所ならこんな業態で。という引き出しがいくつもあって場所によってはこんな事も

あんなこともやれそう。という風な考え方をするのですが、その場所ならもう喫茶以外には

思いつかないような、非現実的でありながら、日常とそう遠くない。そんな絶妙なバランスの場所だったのです。

この出会いが引き金になって、やるきスイッチが入った私は、

さっそく内見をさせていただき、一週間悩んで申し込みをお願いしたのでした。

 

 

 

 

 

 

 

あの場所でコーヒーを淹れて、お客さんがその空間を楽しみに来てくれる姿がはっきりと僕には想像できました。

そこにできるお店のイメージが鮮明に描く事ができましたし、絶対いい店になる。確信に近い思いが私にはありました。

こいう場所って、本当に稀です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、です。

大家さんから「今回は貸せない」という返事が来たのです。同じ時期に申し込んだ人がいるらしく、

そちらの方に貸すことにしたというのです。そういう人がいるという話は仲介業者からは聞いていましたが、

先に申し込んだ私たちが優先だと言うことで聞いていましたから、当然借りられるものと思って計画を進めていた所でしたので、

本当にショックでした。その方がどういう人なのか、何をするのか、あそこに何ができるのか。もう聞きたくなかったです。

それからというもの、高ぶった気持ちの落としどころが見つからず、夜の町をひたすらランニングする日々でした。

(結構いいトレーニングになりました)

各方面にもすでに相談をし始めていたので、こういう事情でできなくなったと、お詫びの電話をして、

かなり煮詰めた事業計画書を破り捨てた時点で、08COFFEEの2号店は幻になったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

久々に燃え上がるような気持ちを覚えた数週間でした。かなり真剣に事業計画を立てましたので

いろんな事を真剣に考えました。お店を始めるにあたって、人件費はいくら、家賃、光熱費、等々・・

当然今のお店を始める時も同じ事をやっているわけですが、新たに借金をするわけですから、生活の事、スタッフの事

色々背負うものが前とは格段に重く感じられました。収支も当然考えましたが、リスクが高く、リターンは少ない

そんな事業計画でした。今思えば、やらなくて正解だったのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

ただそこにいい店が一軒できるチャンスがなくなっただけの話しです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人生は、経験の積み重ねで充実していきます。

今回の経験から僕が学んだ事は、「真剣に取り組むからこそ見えるものがある」と言うことです。

真剣に新事業に向き合ったからこそ、2号店を出す事で得るものと失うものがよく見えました。

きっと、あのまま突き進んでいたら、失うものの方が大きかった事は確実です。家族との時間、わたげとの散歩、

お客さんとの会話、コーヒーのクォリティ・・

もっともっと深く考えて、またいつの日かそのタイミングが来るのを待ちます。もう来ないかもしれませんが。

ただ一つ言っておかないといけないのは、もしこのブログを読んでいる方の中に今何か始めようと思う人がいて、

そういうタイミングだとしても、とどまることはないと言うこと。

あくまでもこれは「僕の事業計画」での話ですし、「僕には」何店舗も経営する力がない。というだけの事ですので。

もっと今の仕事にもこれからの人生にも真剣に向き合う事で、ちがう未来が待っているような気がしてなりません。

やれることは、まだまああると言うことですね。