僕が走り始めた理由~山田記念ロードレース編~②

 

【火事場のクソ力】

 

【読み方】:かじばのくそぢから

【意味】:キン肉マン、およびその続編に登場する架空の能力。窮地に陥った時に普段をはるかに超えるパワーを発揮する。

 

 

 

 

 

 

今回のレースは「時計を見ない」事を決まりにしていた。正確にはタイムを気にしないという事。気持ちよく走って、タイムが後からついてくるのが理想だと思ったからだ。

今陸上界をにぎわせているふわちゃん事、「不破聖来」ちゃんをご存じだろうか?まだ大学生の彼女の走りは本当に美しく、我々世代ならわかると思うが、元気が出るテレビの

カール君のように上半身は動かず、足だけ動いているような安定感。めちゃくちゃ早い。そんな彼女も走る時は時計は見ないらしい。なのでそれを意識して、不破ちゃん走法と

名づけた。ただし、心拍数だけは気にした。あまり初めから突っ込むと後半もたないためだ。常時150~160くらいの心拍数なら、楽に完走できる「ATペース」だ。

しかしその作戦は5キロ過ぎ、早々に崩れる。レースでは自分のペースにあったペースぺーカーを早く見定めて、その人についていくのがいい。(過去の経験から)そのペース

メーカーの見定めを誤った。数少ない女性ランナーに定めてしまった。男の性(涙)この方のフォームが綺麗で、真似して走ってみたらどんどんペースが上がってしまった。

心拍数は170台まで一気にはね上がる。ちょっとハイペースだなーと思って8キロ付近で距離を置く。いちど上がった息を整えようとしたが、なかなか落ち着かない。キツイ。。

10キロの時点でかなりペースを落とした(つもりだった)心境としては、「まだ10キロ?」という感じだった。心理的にもう負けるパターン。そこからは、1キロ1キロが長い長い。

前回走った田沢湖マラソン(ハーフ)は、参加者も多く、後方からの追い抜いていく展開だったのでとても気持ちよかったのだが、今回は前半飛ばしてしまった分、後ろに人が多

く、ペースも落ちていくのでどんどん越される。普段痛みの出ない股関節、右膝、最後は左膝が順番に悲鳴をあげる。コースは登り、終わったらまた登り。のハードなコース。

まだ13キロ・・。この時頭をよぎったのが「あぁ俺情けねーな・・あんなに冬の吹雪の中走ったり、インスタに走った景色載せたりしておいて、このざまかよ・・」だった。

えぇい!そんな事よりも、どんなに遅くてもいいから完走だけはしないと恥ずかしくて帰れない。楽しく走るがテーマの大会なのだ。とりあえずさらにペースを落とした(つも

りだった)最後は大嫌いな折り返しの約5キロ。真っすぐな道、嫌い。

文句をいう訳ではないが、エイドも水だけで、2回しかなかったので、携帯していたゼリーを補給。ラスト5キロ。もう気合いしかない。気合いだけなら負けない。

でもほんと膝に力が入らなくなってきて、ほとんど歩いてる?くらいの体感スピードだった。ようやくゴールのハチ公ドームが見えてきた。足をひきずりながらラスト1キロ。

ずーッとだが、大館の人達は沿道で拍手したり手を振って応援してくれる。ありがたかった。いっぱしのランナーになった気分だった。そんなみなさんの応援に手を振る余裕は

まったくないが、ゴールの電光掲示板を見ると、「1・39・10」とある。あれ、早くね?混乱しながら、とりあえず早歩きでゴール。タイム「1.39.26」。

ん?やっぱり早いよな?

ゴールして初めて時計を見ると、見た事のないラップが刻まれていた。「1km/4.42」なんと!!こんなタイムで走った事ないよ!!

冷静にレースを振り返ってみても、あの10キロからペースはだいぶ落ちたはず。体感スピードはkm/5.40くらいのはずだった。それが、実際はこのペース。

スピードはぜんぜん落ちていなかったのだ!

 

 

 

 

 

 

キン肉マンさん、これを「火事場のクソ力」と呼ぶのでしょうか?

結果 40台の部 39位/100人 タイムはご覧の通り。タイムは本当に後からついてきた。実際はぜんぜん気持ちよくはなくて、めちゃくちゃしんどいレースだったけど、

たぶん真面目に冬の間も走っていたし、体幹も鍛えたし、ストレッチも真面目にやったので、きっと力がついていたのかもしれません。人間の力ってすごいな。

 

 

 

 

 

 

会場を後にして、まず風呂でリカバリーしないと。近くの温泉を探してゆっくり。これも楽しみの一つ。染み渡る。

体を洗いながら、「自分で自分を褒めたい」と言った有森裕子よろしく、よく頑張ったと足をさする。

 

 

お昼はえんとつと決めていた。カロリー2000キロ消費したので、食べ放題。とても美味しかった。COFFEEのフォントがたまらなくかわいい。歴史に嫉妬。

 

 

 

さて、今回のまとめ。

努力は裏切らないと肌感覚で実感した。41歳にして。そして、自分の限界っていかに低く見積もっているのかを実感した。ただもう一回走れと言われたら走れるかは疑問。

自分の力以上のものが出たんだと思う。その代償として足の痛みと全身の疲労は1週間たっても残っていた。

そうしてようやく、また走り始めた昨日。気温は上がってきてランニングの装備はだいぶ軽くなってきた。空は青く澄んで、緑は青く、足取りは軽い。

 

 

ランニングってなんて気持ちいいんだ。さぁ次こそはフルマラソン挑戦だ。目指すは『 盛岡シティマラソン 』なんとこの大会は10月23日開催。私の誕生日!!

今度こそは、自信をもって挑めるように、今日からまたリスタート。

わたしのランニングライフはまだまだ続く。  完